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【日経コンピュータ】業界初!勘定系システムの新常識

業界初!勘定系システムの新常識

日経コンピュータの特集に「勘定系システムの新常識」が取り上げられましたので、紹介します。

現代の銀行の競争力を支えるシステム

  • Fintech領域のAI融資システム
  • 何十年も稼働する勘定系システム
  • 銀行内にあるさまざまなシステム

1980年代後半から稼働する勘定系システムの課題と対策

アーキテクチャ

課題

  • 新機能、新サービスへの導入に時間、コストがかかる

原因

  • 密結合のアーキテクチャ
  • 影響範囲が大きい
  • 既存機能への冗長的な対応が必要

対策

  • 疎結合アーキテクチャ
  • 機能の細分化するマイクロサービス化
  • 新機能、新サービスへの導入へのスピード、コストを減らす

基盤

課題

  • 基盤の稼働にかかる大きな運用コスト
  • 常に最高性能を維持するスペック

原因

  • 自前の基盤環境を使用するため、基盤機能の柔軟性が弱い
    ※負荷に応じたリソースの配分、性能の増減調整

対策

開発手法

課題

  • スピードが求められるのに対し、要件の柔軟な入れ替えが難しい
  • 開発途中に組み込みたい新しい要件を入れるのに時間がかかる(1~2年)

原因

  • IT企業主導のウォーターフォール型の開発
  • 1サイクルが終わるのを待ってから新しい要件の開発に着手

対策

  • 内製化によるアジャイル開発
  • 融通が利きやすく、要件をスピード感もって対応できる内製化

先陣を切ったふくおかフィナンシャルグループ

2020年度開業を目指す「みんなの銀行」

邦銀初のパブリッククラウド

業界4位の米グーグルの「Google Cloud Platfom(GCP)」を採用

  • 業界1位:「Amazon Web Service(AWS)」
  • 業界2位:「Microsoft Azure」
  • 業界3位:「Alibaba Cloud」
  • 業界4位:「Google Cloud Platfom(GCP)」

決め手は「Cloud Spanner」

  • 分散型RDBを有する
  • 耐障害性が高い
  • 離れたリージョン(データセンター群)でも瞬時にデータを同期
  • Gmailでも採用されている実績

スモールスタートに最適なアプリケーション

  • 必要最小限のサービスから始め、機能を追加していく
  • 削ぎ落した従来の勘定系システムの代表的な「現金・通帳管理」、「センター集中記帳」
  • 見当たらない必要なパッケージ製品
  • はじまったスクラッチ開発
  • ゼロからでは難しく、アクセンチュアフレームワーク(MAINRI)を採用

MAINRIの特徴

  • マイクロサービスの活用機能
  • API連携機能
  • データベース接続機能
  • 日付関連のユーティリティ機能

プロジェクト状況

  • 2019年4月:要件定義開始
  • 2020年4月:外部結合テスト実施中
  • 全体の3分の1程度が完了
  • 上がってきた開発スピード

ZDFの新文化

メンバーのバックグラウンド

  • 従業員30人、協力会社200人程度
  • ふくおかFG出身者はほぼゼロ
  • ネット銀行出身、大手IT企業出身、AIスタートアップ企業出身など
  • 新しい銀行を作りたい意思を持った猛者たち

スタンダードは「アジャイル開発」体制

スプリント(1機能のアプリ開発期間)

  • 基本は1か月、長くて2か月
  • 内部結合までをスプリント内、外部結合以降をスプリント外で実施
  • 目指すはすべてをスプリント内での実施

スクラム

  • プロダクトオーナー(要件の取捨選択の実行者)は利用者部門
  • 利用部門とのコミュニケーションロスを減らし、開発スピードを上げる狙い
  • コスト管理をスクラムマスターと行い、要件の膨れ上がりを防ぐ

ロボットPMO

散らばる開発拠点

  • 福岡、東京、中国など
  • 国内外にわたる

活躍するロボットPMO

  • ソフトロボットがSlackに進捗を配信
  • 会議をコーディネート

進むリモート開発

  • ビジネスチャットツールやWEB会議を活用
  • 新型コロナによる働き方は変わらない

業界を変革できるか

夢に見た勘定系システムの刷新

阻害した要因

  • 既存商品、サービスの移行
  • 莫大な手間とコスト

業界への先駆けへ

  • 勘定系システムの構築の新しい知見
  • 既存銀行へのDX展開